災いには負けない [食道がん]
1月28日(月)
苦しい毎日が続く。これでもかと次々に襲ってくる災いに、入院前に心が折れてしまいそうだった。
苦しい毎日が続く。これでもかと次々に襲ってくる災いに、入院前に心が折れてしまいそうだった。
まず自分の食道がん。リスクの大きい放射線化学療法を選択したが、情けないことに若い主治医の脅しに怖さは尽きない。そんな悩む日々が続いていた先週の金曜日、大の親友がクモ膜下出血で倒れた。手の施しようがないということで今も生命維持装置で生きながらえている。高校時代から大学、社会人となっても一緒にいろんなことをやって同じ時間を共有してきたかえがえのない親友だ。彼が逝ってしまったら、悩みを正直に打ち明けられる相手がいなくなってしまう。この先の人生でも真に頼るべき友人がいない、といっても言い過ぎではない。考えるほどに悲しくなって何度も涙を流した。言おう言おうと思いながら病気のことはまだ伝えておらず、それが良かったのか悪かったのか分からない。伝えていたらきっと心配してくれたはずだ。
それから妻の体調もおかしくなってしまった。昨年からたくさんのストレスを抱え、自分の病気がとどめを刺してしまった。入院中が気がかりだ。それに浪人中の息子。昨年秋に大学を中退して家に戻り、遅いかもしれないが再受験の勉強を始めていた。父親、母親がこんな状態でこのところ勉強に身が入らないようだ。
そして今日、年老いた母親が入院した。肩を複雑骨折して手術のために6週間の入院となる。ろくに見舞いにも行けないかもしれない。親不孝な息子である。
そして今日、年老いた母親が入院した。肩を複雑骨折して手術のために6週間の入院となる。ろくに見舞いにも行けないかもしれない。親不孝な息子である。
入院の日が決まったことと苦しい状況を伝えるため、尊敬するTさんにメールを出した。「心中察します。気持ちを強く持って、病に打ち克つことが周囲の難をはらうと信じて立ち向かいましょう」と返事がきた。
そうだった。自分にはまだ手を差し伸べてくれる人がいる。弱気にすっかり負けていた。このままではますます病気をのさばらせてしまう。病よりも自分の弱さにだけは絶対に負けられない。災難を追い払ってみせる。
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